本の神様

本の神様というのが世の中には絶対にいると思う。

本屋さんへ行って、本来買ってみたかったものを立ち読みで済ませて他の棚をウロウロしてみる。すると気に留まる本があってつい手に取ってみたりする。
気になって読んで、元あった場所に戻すけどやっぱり気持ちが引っ掛かって再び手に取って違うページをパラパラと見てみる。気がつくとさっき開いたページと内容がつながったりする。
買うか迷う。悩む。

しかし、大抵ファーストインプレッションは吉だ。買ってみて損ではなかった事が多い。逆にファーストインプレッションを無視して置いて来たりすると後悔することが多い。そんな時に限って、署名も著者も思い出せなくて永遠に謎の書物となってしまう。

人間の脳にはRAS(網様賦活系 reticular activating system)というものがあるそうで(解剖学的には明確ではないらしいが)、これが様々な関心事に関する情報を集めてくるとされている。無意識下(潜在意識)で目的物を探しているのだという。ならば、RAS=本の神様ということもまた言えるのではないだろうか。と同時に、この思索の海を漂う行為にはネットではない、現実の本屋さんの方が圧倒的に有利であり必要であると私は思う。